消防士ロードバイク日記

56CYCLEに通う56cyclist

ツールドおきなわ市民210を終えて

究極の戦いが終わった。

 

圧倒的な敗北。

悔しいと思って良いかのか分からないくらい力の差を見せつけられた。王者高岡さんとの勝負の土俵にすら上がれなかった。

 

王者を同じ人間と思ったのがそもそもの間違いだった。

自分が沖縄を意識し始めたのが2012年頃。

その頃から高岡さんは王者として君臨し続けている。今年も他を寄せ付けない、まさしく王者の走りで全員を粉砕してしまった。

粉々に。

バラバラに。

そんな王者を自分の物差しで測ってはいけなかった。

 

 

今年の思いだけ忘れないように書き留めておきたい。

 

今年はメンタルの不調から自転車どころか日常生活に支障をきたすほど調子を崩してしまった。そんな中、無理やり参加した6月のニセコクラシックで完全に心が砕けてしまい、沖縄は絶望的な状況に。今は落ち着いているが、完全に回復したかどうかは怪しい。またいつかバキッと割れてしまわないかヒヤヒヤしている。

 

心が壊れた時は自分自身に価値を見出せない精神状態に陥ってしまい、絶望的にやる気が起きなくなった。何をしようにも「やっても無駄だよ、無意味だよ。」と悪魔の囁きが常につきまとった。

 

心の風邪

身体は鉛のように重くなった。

 

社会生活を送るにあたり、しばらくの間は無気力な自分を隠すことで精一杯。この時期は本当に辛かった。何に対しても興味が湧かなくなり、あれだけ楽しかったはずの自転車にさえ一切興味を持つことが出来なくなった。自分は一体全体どうしてしまったのだろうかと、ただただ戸惑うばかりだった。

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人間として電池切れ。

充電方法は一切分からず。

ケーブルを挿せば充電できるスマホを羨ましく思った。

 

 

そんな状況から何とか抜け出せたのは仲間の存在があったからに他ならない。

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「お前なら出来る」

「お前ならやれる」

「俺達が協力してやる」

 

五郎さんはじめ、伊織さん、チャリダーの林ディレクター、練習のコーディネートをしてくれる吉田さんなど絶対的に信頼する仲間から、ポジティブな言葉を何度も何度も掛けられると、もしかしたら自分に出来るかもしれないと、少しずつ少しずつ前向きに考えられるようになっていった。心が充電され始めた気がした。

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誰からでも良いわけではなく、心から信頼出来る人からもらう言葉には大きな力があり、大いに励まされた。

ここで逃げたら、

ここで踏ん張らなかったら

一生後悔するかもしれない。

自分を信じてくれる人の言葉は裏切りたくないし、もうこれ以上自分を嫌いになりたくない。

 

そう思うと心に火がつき、ひたすらにトレーニングに打ち込むことが出来るようになった。

とにかく弱い自分を破壊したかった。

もう弱い自分は懲り懲り。見たくない。

そんな自分ならぶッ壊してしまえ。

不健全な動機かもしれないが、強くなれるなら何でも良い。むしろ負の感情のほうが強い原動力になる。自転車乗りは自罰的な性格の人が多いらしいが、どうやら自分もその類の人間のようだ。

 

 

そして迎えたツールドおきなわ市民210km。

 

ここからはチャリダーの放送が終わったら、また書くかもしれません。

ニセコを終えて。

なぜ自分は頑張れなかったのだろうか?

 

ニセコの放送を観た。

チームのエースとしての責任を放棄した自分の醜態を見るのはとても辛い。

後悔しかないが、時間を巻き戻したとしても自分は頑張らなかっただろう。

 

ニセコに向けて頑張らないといけないと頭では分かっているのに、身体が動かなかった。

無理やり自転車に跨っても辛いだけ。

楽しくて乗っていた自転車が、いつの間にか乗らないといけない乗り物になっていた。

 

自転車が嫌になった。

 

そんな状態では強くなれるはずもなく。

やらないと...やらないと...

気持ちだけ空回りを続けて

ニセコ当日まで来てしまった。

 

今回は、五郎さんはもちろん、伊織さんが本気で仕上げてきていた。

チームとしては、自分さえ仕上がっていれば完璧な状態でニセコに臨めたはずだ。

 

なのに勝たなければいけない自分が1番弱い。

あぁ自分は責任を放棄したんだ。

 

終始ふぬけた顔をしている自分。

何が諦めないだ。

それはこのレースのために努力を積み重ねてきた者が言えるセリフだ。

 

心底自分が嫌になった。

 

 

レースは放送の通り。

映ってはいないが、ハンガーノックになりゴール手前2.3km地点で限界を迎え、歩道に座り込んだ。

心が折れる音を聞いた気がした。

15分以上は項垂れていただろうか。

 

このままやめる?

ゴールまで行く?

泊まった宿が直ぐそばにあり、このまま部屋に戻ってしまおうと本気で考えた。

もうどうでもよかった。

 

 

が、結局は走り切ることを選んだ。

何も感じない、

何の意味も見いだせないゴール。

 

ゴール後、また沖縄に向けて頑張ろうと言われた時に、五郎さんの目を見ることが出来なかった。

 

もうやめたい。

あの時はそうとしか思えなかった。

 

ニセコはそんな感じでした。

 

ニセコ終わって色々あり、

五郎さん、伊織さん、吉田さん、林さんのおかげで何とか自分のメンタルは回復傾向に。

 

自分はこれまでの人生で何かをやりたい!と強く思うことは少ない人間で、

そんな自分がやりたいと思ったのが自転車で、勝ちたいと思ったのが沖縄です。

この自分の意志は大事にしたい。

自分の根っこの原動力はそこなんだと思い至りました。

 

自問自答を繰り返し、また厳しいトレーニングに立ち向かう覚悟が出来た気がします。

 

必ず再起する。

 

なぜ自分が頑張らなかったかなんて考えるのはやめます。

今また頑張りたいと思えてる自分がいる。

それだけで十分。

 

人生は波のように浮き沈みを続ける。

一回沈んだからといって諦めることはない。

次は浮き上がるしかないのだから。

 

前向いて踏ん張れ、自分。

 

 

ツールドおきなわ2021が正式に中止と発表。

 

順調にトレーニングを積み重ねてきていただけにショックは大きい。誰に、何に、怒れば良いだろうか?怒りをぶつける相手もいない。

 

さらに今日は雨。

外に出て空を見上げる。憂鬱。憂鬱。

 

憂鬱。

 

「最大の目標となるレースがなくなり、今日は雨か。もうトレーニングはいいかな」

 

弱気な波に飲まれそうになる。

いや、しかし、

 

レースがなくなったことをトレーニングしない理由にしてしまうの?

雨をトレーニングしない理由にしてしまうの?

 

 

 

そんな程度の人間が来年の沖縄で戦えるの?

 

今日の練習をサボったら、来年の沖縄で無惨に千切れ去る自分が視える。また泣くの?

 

レースがなくても乗る。雨だろうが乗る。

今の自分に出来ることをする。

その姿勢こそ真価。

戦う相手がいないなら、自分と戦えば良い。

 

 

重い腰を上げてトレーニング。

追い込んで、追い込んで、

 

そして気付く。

追い込んだ後に浴びる雨の気持ち良さよ。

あの憂鬱をもたらしていたのは雨などではなく、自分の心の弱さだった。

 

今こそ自分の価値が問われている気がする。

可能な限り強気な選択をしよう。

勝つための選択を。

 

 

また来年の沖縄に向けて頑張ろうという決意表明ということで。笑

 

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ツールドおきなわ市民140を終えて

沖縄を終えて、自転車は完全にオフモードに。

レース終わってから自転車に乗ったのは2回だけと、頑張った反動は大きい。

反動と言えば

胃袋がブラックホールと化して、手当たり次第に食べ物を吸い込む。

でもすぐに気付く。

あれほど我慢してきて、いざ食べて得られる満足感ってこの程度なのか。

 

こういう感情を覚えておくために無理矢理にでも胃袋に食べ物を突っ込む。

次頑張る時に食べたくなったら、思い出せるように。食べて得られる満足感なんて所詮この程度だよって。誘惑に負けるなよって。

 

レースに関してはゴールして数分後くらいには結果なんてどうでもよくなっていた。

そのくらい感情を揺さぶられていた。

「チームで戦った結果であって、本当の力ではないでしょ」

頭をハンマーで殴られたくらいの衝撃だった。

感情を隠すのは割と得意だけど、その時は悔しさを、怒りを隠すことが出来なかった。

悔しくて悔しくてその場で泣いた。

 

でもその通りだ。

1人だったら同じ結果を出せただろうか?

 

その時はすぐに感情を整理できなかったけど、これは言ってくれた人にむしろ感謝すべきことだと思っている。

頑張ったねで終わっていたら何も成長はない。

お前はまだまだだと教えてもらえたことで、もっと強くなるきっかけを貰えた。

それを活かすも殺すも自分次第。

ひとりでもやれるか?

結果で証明するしかない。

 

成長したいなら厳しいことを言ってくれる人は大事にしないといけない。

 

追いかける背中があるってことは幸せなこと

 

 

 

来年は市民210に出ます。

もっと強くなって沖縄へ。

長くて短い1年のはじまりだ。

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AACA第9戦1-1

結果は完走。

 

前日の雨予報が嘘のような快晴。

今回もデストラさんの補給がなければ死んでいました。ありがとうございました。

 

レース開始直後、デストラの二俣さん、小暮さんの逃げに乗っかる。レース開始直後で落車が怖いので前待ちしようという判断。

 

捕まってからはその時を待つ。

 

残り13周回の第4コーナーを抜けると、計6名の選手が抜け出していくのが見えたのでブリッジ。7名ほどで抜け出し成功。今回の2大勢力であるKINANとYCFから1人ずつ(新城さんとレイさん)乗っているのでこれは決まるはずだとローテーションを回す。

 

形成し始めで安定しない逃げをKINANの新城さんがまとめてくださって快調に進む。さらに後方からフィッツ水野さんとMS高山さんが合流。良い流れだ。このまま逃げ切れれば良かったが、そんなに甘くはなかった。

 

残り5周回。YCFとKINANの入った追走が近づいてきて、状況は変化する。新城さんとレイさんは必ずしも引く必要がない展開へ。ここでレイさんが後ろのチームメイト福田さんを待つ動きにシフトしたことで協調体制は一気に崩れ、牽制と抜け出しのためのジャブが打たれ始める。

 

水野さん高山さんが積極的に動いていて自分も協調したいが、すでに脚が終わりつつある。

そんな状態ではあるが、レイさんを何とか振り切りたい。何度かトライしてみるもレイさんはスプリンター系の脚質?のようですぐに対応されてしまう。

 

こうなるとどう立ち回れば良いか正直分からなかった。

レイさんは前に出ない定石通りの動きに徹しているが、新城さんは隙あらば抜け出そうという感じ。結果的に無意味な振り切り作業で完全に消耗してしまい、水野さん逃げにジョインしていく新城さんに反応できず。ここで自分のレースは終了。水野さん新城さんがそのまま逃げ切り。

 

追走が近づいてきた時にどう動けば良かったのだろうか?すぐ諦めて追走と合流すべきだっただろうか?

いや、まずは自分の弱さを認めるべきか。後ろを待つなどという軟弱な考えが出てきているようではこの先の成長が無いような気もする。

水野さんと新城さんがとにかく強かった。

2人についていけなかった自分の弱さが最大の敗因なのは間違いない。

 

新城さんや水野さんのように、前に前に前にの精神で勝ちに行ける強い男になりたい。

 

 AACA1-1ではレース動画をYouTubeで配信(下記URL)していただけるので、それを見て復習しようと思います。加藤さん含めお三方のトークが面白いです笑

https://www.youtube.com/channel/UCauYHLvLVjZ-CWzuSfKiGxg

 

 

ツールド北海道市民レースを終えて

 

 

勝てれば良いな

絶対に勝つ

 

この差はとてつもなく大きかった。

仲間が良い仕事をしてくれるたびに、どんどんプレッシャーは大きくなった。

自分を勝たせるためにこのチームは動いている。

これで負けたらと考えると、レース中ゾッとしたのを覚えている。吐き気すら催す。

負けたらアシストの走りは全くの無駄になる。

チームで束になっても勝てなかったダサい連中になってしまう。

勝たなければアシストは報われない。

無駄死にだ。

 

「エースは絶対に勝たないといけない」

 

壱岐のレースが終わってから、普段の練習からずっと自分にプレッシャーをかけてきた。

このプレッシャーのおかげで強くなれた。

もうやめようかなというところから、あと一本やろうという気持ちが生まれた。

エースとして相応しい人間になろうと心の底から思えたんだろう。

 

北海道に入ってからもずっと心の中で唱え続けた。

 

「エースは絶対に勝たなければならない」

 

五郎さんに顔付きが壱岐と違うと言われたが、自分でもそう思った。

 

目が笑うことが出来ない。

これって趣味だよなぁ、なんでこんなに真剣なんだろう。

 

レース内容はまだまだ反省点だらけ。

レース中何度も怒られてしまった。

しかし、五郎さんと走る度におぼろげだったロードレースというものの輪郭がはっきりしてくる。

 

言い古された言葉だが、

ロードレースは1番強い者が必ずしも勝つとは限らない。

 

それを体現するレースだったと思う。

 

一緒に走った方々、ありがとうございました。

またどこかでお手合わせお願いします。

 

 

 

 

もう負けたくない

壱岐での無残な敗北から3ヶ月ほど。

 

本番で惨めに千切れ去るのか、

今、ここで歯を食いしばって練習するのか

 

脚が、肺が、心臓が、

全身が悲鳴をあげる中、自問自答してきた。

苦しい時こそ真価が問われる。

 

簡単に自信が持てる性格じゃないから、

地道に自信を積み上げてきた。

 

勝ちたいとかではなく、もう負けたくない。

 

いざ。